NPOインターンシップラボシンポジウム2019「まちに”小さな主人公”が育つしかけとは?」報告

先日、9/16に青山学院大学でNPOインターンシップラボシンポジウム2019「まちに”小さな主人公”が育つしかけとは?」を開催しました。

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日時:9月16日(月・祝)13:00〜17:00
会場:青山学院大学 青山キャンパス 17号館 17306教室
参加者:67名

タイムライン 
13:00- オープニング
13:10- パネルディスカッション①
「小さな主人公を育てる実践者が語る未来」
14:40- 休憩
14:55- パネルディスカッション②
「学生が変わる?!地域が変わる?!~NPOインターンシップ徹底解剖~」
16:15- まとめ・シェアタイム
16:30- 交流会
17:00- 閉会
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13時からオープニング。
トヨタ財団の大野さん、ラボの今井さんの趣旨説明からスタート。

そして、パネルディスカッション①は小さな主人公を育てる実践者が語る未来
山岡先生の「小さな主人公」とは?という説明からスタート

「小さな主人公」とは?
→地域で中心的な活躍をしているメインアクター(大きな主人公)とは対照的に、時々ボランティアで関わる、パートタイムで仕事をしている、気持ちの上では関心を持っているが活動には参加していない会員、「いつか関わるかもしれない」と関心を持ちながら情報を集めているような人物像。

NPOの人材育成のためにはリーダー育てだけでなく、フォロワー育てが必要なのではないか?
市民社会を形づくっていくためには「小さな主人公」を育てることも必要ではないか?

このような問題提起のもと、ディスカッションがスタート。

各地の取り組みの事例をご紹介。

【小さな主人公を育てるうえでどのようなことを意識しているか?】
NPO法人トチギ環境未来基地 大木本さん
「実体験として学ぶことが大事だと思っている」
「森が守られるだけでは十分ではない。プログラムの中では活動している人に話を聞くなど、学習のための時間も設けている」

NPO法人寺子屋プロジェクト 荒木さん
「社会に関心はあるけれど非アクティブな学生・社会人から、フォロワーとしての小さな主人公に変化するためのきっかけ、ステップを用意するといえ考え方がしっくりくる」
「日々の活動の中で内省の場、対話の場を作ることが、変化のきっかけになるのではないか」

青山大学ボランティアセンター 秋元さん
「プログラム参加者の4人に1人が、新しい活動に参加したり、就職後の国際協力との関わり方をインターン先の方に相談するなどのアクションがあった。団体との出会いは活動のネクストステップへ影響を与えている」

各プログラムの紹介の後、山岡先生の進行でディスカッションが行われました。

そして、後半のパネルディスカッションは
「学生が変わる?!地域が変わる?!NPOインターンシップ徹底解剖」

地域と学生が出会う現場の中でどのような取り組み、工夫がなされているのか?
受け入れ団体のNPO、コーディネーター、NPOインターンに参加した学生の対談を行いました。

【学生によるインターン体験談】
ふたりの学生さんに、インターンの体験を話してもらいました!
NPO法人アークシップで長期インターンに参加した荒木さん
「学校で学んでいる分野とは縁遠いことを経験したくて、音楽系の団体に参加した」
「保育の知識がインターンの中で役に立ったことから、自信を持つことができた」
「アークシップには大人と学生の上下関係がなかった。大学生は新しい風を入れてくれる存在だと、対等な関係として見てもらえていることが新鮮だった。その体験が職場を選ぶ視点にも影響した」
「アークシップやアクションポートは、社会経験を積んだ大人に相談できる環境がある。大人に相談して新しい見方を発見できると、自分にとってそれが新しい風になる」
コトラボ合同会社で短期インターンに参加した嶋田さん
「震災の被災地でのボランティア活動をしていた。指示を受けて動く労働力としてではなく、学術的にボランティアを理解したいと思い、サービスラーニングの授業を受講した」
「10日間の短期なので、社会問題について考える入り口に立ったことが成果だと思う」
「スタッフさんからの指示はなく、なんでもやっていいよと。インターンのメンバー5名で話し合ってやることを決めた。受け入れ先がお客さん扱いではなくやりたいことを聞いてくれる姿勢があったからできたことがあった」
「さまざまな生き方があることを学んだ。就職してずっと同じ会社で働くような価値観に囚われることがなくなった」

【プログラムコーディネートの工夫】
アクションポート横浜の高城より、横浜のNPOインターンシッププログラム運営の工夫について
共有します。
・期間限定
期間が決まっているから思い切り活動できる。
ボランティアは抜けられないというイメージも。

・まぜこぜ
選ばなかった団体のプレゼンを聞くことで、
色々な社会課題があることを知れる。
・お見合い会
活動に参加する前に団体の人の顔が見える。
チラシや書類の上だけでなく、「この人がやっているんだ」と思える。
・定例会
学生同士がいい意味でのライバル関係になり、お互いに学び合う。

【受け入れ団体での現場のコーディネートについて】
認定NPO法人びーのびーの 舘さんより、子育て支援広場でのコーディネートについてのお話です。
「学生に、何でもいいからお母さんと話してきなよと水を向ける。すると、お母さんが学生の人生相談に乗ることもある。
ママとしての自分、支援のプロに相談する自分だけでなく、個人としての自分を出すきっかけになる。すると、お母さんは広場に愛着を持って、自発的に参加してくれるようになる」

「学生に話を聞く。趣味やいつも頑張っていることなどの話を聞くと、スタッフの自分たちも学生のことが好きになる。
インターンが終わっても、「仕事の休みが取れたので」など、ふらっと来てくれたりすると、近所のおばちゃんのような気持ちになる」
「インターンはスタッフの頭数には数えられない。学生がいても広場では安全な預かりをしなければいけないので、遠目で見守っている。
気は遣うけれど、やめられない」
「お母さん達は24時間子ども中心の生活。学生がいると、いつもない話題が飛び出す。それが面白い。多世代の人がいるから、いつもは話さないことでも、ついついポロリと喋っちゃう。それが講座の講師などで地域デビューするきっかけになることも」
コーディネート団体の高城からは、
「NPOは企業とは異なり、ミッション・ビジョンがあるから、多様な若者を受け入れられる。NPOは社会のために人材育成ができる」
「受け入れがうまいNPO同士がつながってノウハウを共有するために、研修会を開催している。
知り合った団体同士、大学と団体同士が新しい連携に繋がるための、中間支援的なしかけを意識」
「受け入れ団体とお客様の関係にならない。
コーディネート団体がやってあげる、団体にお願いして何かをやってもらうのではなく、一緒にやらせていただく」

【まとめシェアタイム】
・インターンの活動は自由度が高い方が学生のやりがい、成長に繋がるが、とはいえ団体にとっては仕組みにしたほうが安定して運営できる。そのギャップをどう埋めたらいいのだろう?
・どうやって学生の方々を集めているのだろうか?運営上の悩みごと。
・受け入れる側と受け入れられる側の難しさ。参加する学生の気持ちを知れて勉強になった。

最後に交流会を実施して、解散。
たくさんの方にお越しいただき、ありがとうございました。

<グラレコ紹介>

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