【開催報告】NPOインターンシップラボシンポジウム2020〜若者と地域のつながりをあきらめない〜
NPOインターンシップラボシンポジウム2020を、9月19日(土)、20日(日)の2日間にわたり開催しました。
今年はコロナ禍だったこともあり、初のオンライン開催。日本全国から、コーディネーター、学生、中間支援など方、81名が集まりました。
1日目は、オープニングトークセッションと分科会1の2つを行いました。
シンポジウムのオープニングでは趣旨説明やオンラインに慣れるためのアイスブレイクを行い、1日目がスタート。
オープニングトークセッション
まちの小さな主人公をつなぎいかすコツ
オープニングトークセッションでは、「まちの小さな主人公をつなぎいかすコツ」をテーマに、進行は野地理恵子さん(ふくしまNPOネットワークセンター)に、ゲストには、石原達也さん(岡山NPOセンター)と青木秀幸さん(千葉工業大学)の2人からお話しを伺いました。
学生を地域に引っ張り出す、押し出す仕組みを作られたお話は、この仕組みが応用できれば、地域を問わず若者と地域をつないでいくことができるのではないかと感じられるものでした。
現在、コロナ禍で、NPOや市民活動団体は事業を行っていくことが難しくなってきています。社会が必要としていること、社会課題解決にむけて、NPOインターンシップを上手に事業として、展開していくことが、今後大切になるというお話しは大変興味深かったです。その中で「社会に優しい人材」というワードがあげられ、そのような人材はNPOインターンシップを通して育てていけるのではないか、ラボが伝えたい「小さな主人公」はその「社会に優しい人材」になるのではないかと改めて思いました。そして、事業を様々な視点からとらえて、継続していくことのアイデアをいただきました。
セミナー1
学生が変わる!? 地域が変わる!?~NPO インターンシップ徹底解剖2020 ~
分科会1は、毎年恒例となっている「NPOインターンシップ徹底解剖」でした。
進行は去年に引き続き川田虎男さん(聖学院大学コミュニティサービスラーニング講師)に事例を徹底解剖していただきました。
NPOインターンシップに参加した学生の會田未来さん、稲川夕梨さん、受入団体の遠藤隼さん(サシバの里自然学校)、コーディネーターの大木本舞さん(とちぎコミュニティ基金)、それぞれの立場からお話しが聞けて、たくさん情報が得られる嬉しい内容です。NPOインターンシップと言っても、毎年いろんな形で展開されていくもので、団体や学生が変われば、同じ内容でも変化が出て深みもでてきます。今回の学生のお話しは、NPOインターンシップを経験したことで様々な視点を持ち、他人を思いやれる人になれたことが感じられ、とても感動しました。それは同時に学生だけでなく、受入団体もコーディネーターも成長させられていて、これこそがNPOインターンシップの醍醐味だと感じられるとてもすばらしい内容でした。NPOインターンシップの良さや可能性を感じ、シンポジウム2日目へ続きます。
2日目は、同時進行で2つの分科会から幕を開けました。
分科会2-1 地域で学生を受け入れるためのしかけとは~つい参加したくなるコーディネーションを探る~
分科会2-1では地域側、大学側それぞれの立場から学生を受け入れ、地域に参画しやすくするための仕掛けを伺いました。この分科会では、学生の橋本空さん(法政大学4年、へりぽーと代表)が進行役となり、ゲストは高野雄太さん(おやまちプロジェクト)、朽木量さん(千葉商科大学地域連携センター)、原島隆行さん・森勤さん、小倉勝十さん(まち×学生プロジェクト)です。
また地域と学生双方が同時にオープンマインドを持ち、そこに第3者としてのコーディネーターも存在があることによって生まれる質の高い関係性や可能性も知ることができたのは大きかったです。そして進行を務めたのは地域に自ら積極的に関わってくれている学生団体であったことも相まって、とても印象深い分科会になったと思います。
分科会2-2
しくじりから見えた成功体験
分科会2-2では、直井友樹さん(NICE)が進行し、西尾愛さん(藤沢市民活動推進機構)と遠藤佑介さん(札幌市市民活動サポートセンター)からお話いただきました。
普段あまりオープンに共有されることのない地域で学生を受け入れていく際の失敗談からの学びや難しさなどを共有しました。掘り起こされた課題に対してどんな手が打てるのか、オンラインという環境下の難しさもある中参加者とともに考えるワークショップも実施し、短い時間の中でも意義ある意見共有ができたと思います。
分科会3
コロナ禍での学生と地域のつながりを考える
分科会3では当日の参加者が全員合流し、影山貴大さん(ユニバーサル・ピア)、中村柾さん(オンライン寺子屋)、萱村竜馬さん(興望館)の3人からコロナ禍の現状においてリアルでの場づくりを諦めなかった事例、リアルでの活動をオンラインに切り替えた事例、そしてコロナ禍だからこそ生まれたオンラインを活用した事例の3つの事例を中心に添え、高城芳之さん(アクションポート横浜)と原島隆行さんの2人のコーディネーターによる軽快な進行で場が進みました。
最後はコロナ禍でも諦めずに「やってみる勇気」を持つというマインドが全体に共有され、今できることを諦めずに地道にやりぬいていくことの大切さを改めて感じました。
その後クロージングにて、各分科会の簡単なまとめを全体で共有したのち、ブレイクアウトルームを用いて、参加しての感想を参加者同士で共有しました。意外とこのブレイクアウトルームの時間が好評で、半強制的に少人数に振り分けられることで普段話さない人たちとの交流がリアルの場よりも進むというのは、一つの良い気付きだったと思います。
新しい形での開催となったシンポジウムは参加者の皆さんの協力もあり、無事開催することができました。コロナが終息する見通しはまだまだ立ちませんが、そんな中地域とのつながりをあきらめずにこれからもNPOインターンシップを全国に広げていけるよう、実行委員一同邁進していきたいと思います。ご参加いただいた皆様、改めてありがとうございました。
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